アメリカのほほん手帖

アメリカ東海岸在住16年、暮らしの諸々について綴ります

秋の風景:菊と栗

約5か月ぶりに書くブログである。私の過去5か月間は、外へ外へと向かって意識を向けていた時間が多く、ゆっくりと考えたり、本を読んだりする時間もあまり取らず、何か新しいことを始めたり、いろいろな人に会うことに時間とエネルギーを費やしてきたように思う。季節的なものなのか、はたまた単なる自分自身の心の変化なのか、11月になって秋も深まってきたこのところ、妙に活字が恋しく感じる。我ながら全く予測不可能なアラフィフの心理事情である。

さて、今日は丁度お昼近くに毎年恒例の健康診断。健診に向けて朝から水以外何も飲んだり食べたりできず、空腹を抱えたまま、意識を食べ物からそらすべくパソコンの前に座り、「そうだ、ブログ!」と思いついた。

 

秋になるとアメリカでは菊の花の鉢植えを家の玄関ドアの横などに飾る人が多い。スーパーでもハロウィ―ンが近づく頃になると、たくさんの黄色や白の菊の鉢植えが、大きなパンプキンの横に並んでたくさん売られている。菊の英語名は、chrythanthemumとやたら長くて舌がもつれそうだが、一般にはmum(マム)と呼ばれている。アメリカで一般的に目にするのは、日本の菊の花に較べると小ぶりな直径3~5cm程の花である。下の写真は、ガーデニングが大好きだった今は亡き義母が育てていた珍しいえんじと黄のマム。大きくスクスクと伸びた樹々のダイナミックな紅葉が秋の主役なら、可憐に咲き誇るマムはアメリカの日常を彩る秋の名脇役なのである。 

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もう一つ、下の写真は義両親の家の庭にあった栗の木から落ちた栗の実である。日本では、栗ご飯や栗を使ったスイーツなど、秋の味覚には欠かせない存在だが、アメリカでは栗の実や木を目にすることはほとんどない。アジアからもたらされた栗胴枯病が1900年初頭頃から広がって、現在ではアメリカ原産の栗の木は絶滅の危機に瀕しているそうだ。義両親の栗の木もアジア産が交配されたハイブリッドの栗の木らしい(実の方は日本の栗に較べてかなり小さめで味も今一つ)。。。モンブランケーキが大好物の私に取っては、栗を味わうことがなかなか叶わない寂しいアメリカの秋の食風景である(涙)。

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