アメリカのほほん手帖

アメリカ東海岸在住16年、暮らしの諸々について綴ります

夢-その3:建築家の夢(発想とその現実化について)

最近私が気になっている夢というものに関連して、今日は彫刻家の夫の作品を一つ紹介しようと思う。以前書いたブログ記事では、夢を通じて、メッセージを受取ったり、創作のヒントをもらったり、問題を解決したり、はたまた、明晰夢で自分の見る夢をコントロールしたり等、夢の効用について紹介した(2つの記事は、このページの下に貼り付けています)。

今日は、”夢みること”から始まる思考の現実化について。こちらは、「建築家の夢」という作品である ("Architect's Dream" : camphor wood © by Charles Pilkey)。

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かなり大きな頭で(1.2mx1.2mx1.0m)、木でできている(写真は前側と後側から撮影)。夫の伝えようとしているところを私なりに表現すると、現代に暮らす人間は、その多くが都市居住者であるが、建築物に代表される”都市(city)”という概念は、最初誰かの"夢"(作品では”夢”で表現しているが=”発想”)から生まれた。そして、その”夢”が現実となり、都市が形成され、発展してきたのではないか、つまり、最初はたった一人の"夢"として誕生したであろうアイデアが、後に人類の生活形態に大きな影響を与えるようになったということ。そういったことをこの作品で表現しているらしい。

誰かが思い描いたことが、現実化し、それが広がっていくこと。そうやって、人類は発展してきたが、最近のテクノロジーの進化は、加速し、とどまるところを知らないようだ。今後もいろんな人がいろんな”夢”をみて、様々なものを生み出していくのだろう。”夢”みることの素晴らしさと恐ろしさ。未来都市であれ、テクノロジーであれ、それが、人類を破滅に導くのではなく、幸福に導いてくれるようなものをたくさん”夢”見て、現実化してくれることを、私の様な普通のおばさんは”夢”みるのである。

また、余談となるが、福岡に住んでいた頃の話である。夫が車を運転していた時、丁度大型の台風が’過ぎ去った直後で、道路脇に大きなクスノキがなぎ倒されていたそうである。建築会社の敷地前だったらしく、その倒れた木を譲ってもらえないかそこの会社の人に聞いてみたところ、快くOKしてくれて、しかも会社のトラックで夫の仕事場まで運んでくれたそうである。何とも親切な方々である。その時にいただいたクスノキが、我々と一緒に海を越えて、遥かアメリカまでやってきて、今度はここアメリカでこの彫刻へと姿を変えることになった。街作りの仕事を担う日本の建築会社が提供してくれたクスノキが、アメリカ人の彫刻家の手によって、『建築家の夢』という彫刻へと生まれ変わったのである。何だか、不思議な縁を感じてしまう。

carolina-blue.hatenablog.com

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