アメリカのほほん手帖

アメリカ東海岸在住16年、暮らしの諸々について綴ります

六本木歌舞伎:座頭市

去年の2月に日本へ里帰りした。丁度一年前のことである。随分長いことご無沙汰していた東京に住む叔父・叔母との再会も大きな目的の一つで、三人で銀座や六本木を回って、いろいろおしゃべりしたり、おいしいものを食べたりして、楽しい2日間はあっという間に過ぎていった。東京は本当に街が生き生きとしていて非常に活気がある、流石日本の首都である。

そして、東京での旅のハイライトは六本木歌舞伎第2弾『座頭市』の観劇。何か日本的な体験がしたい、歌舞伎が見れるかなと思ってネットで検索していて見つけたのがこれ。アメリカでチケットを予約、支払いもオンライン決済OKで、何とも便利である。叔父と叔母にも付き合ってもらって、EX シアター六本木まで三人で出かけた。彼らは時々歌舞伎を観にいっているらしく、私よりもずっと詳しい。私はずいぶん昔に一度観たことがあるだけ。どちらかというと、ミュージカルにはまっていろいろ観たが、歌舞伎に注意を向けることはなかった。それが日本から遠く離れたアメリカに住んでいるせいか、日本的なものに惹かれてしまう。

 異色の歌舞伎である。三池崇史演出、リリーフランキー脚本で、市川海老蔵と寺島しのぶの二人がメインである。幕開けは現代の六本木から。海老蔵がTシャツにトレパン姿で登場するという意表をついた始まりである。その後、舞台は江戸時代の六本木へと時代を遡って、座頭市の物語が展開するが、歌あり踊りあり、いろんな趣向が凝らされていて、全く飽きさせずに終盤まで駆け抜ける。それにしても、すごいのは圧倒的な海老蔵の存在感である。彼がいると舞台がそこで生きているかのような感じがし、目が彼に釘付けとなってしまう。本当にすごいエンターテイナーである。

幕間にロビーでお弁当を食べていたら、役者さん達が何人か登場し、観客と話をしたり、一緒に写真を撮ってくれたり、通常の歌舞伎では見られない(らしい)観客サービスもあった。せっかくなので、私もパチリ:

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しかし、歌舞伎がこんなに面白いものだとは知らなかった!世界レベルの第一級エンターテインメントである。歌舞伎鑑賞、日本へ里帰りする時の楽しみがまた一つ増えた。