日本の美 @ 南禅寺(京都)
三年前の秋、京都に母と二人旅をした。観光バスにも乗って、主な観光名所を中心に周り、楽しい二泊三日の旅となった。でもどこへ行っても人、人、人で、ゆっくりと京都を味わうという感じではなかったのが少々残念でもあった。
そんな中、三日目の朝に左京区の南禅寺(臨済宗)を訪れた。朝まだ早かったせいか、観光客もまばらで、疎水の水道橋を眺めたり、ゆっくりと境内を回ったり、美しいお庭やお部屋をじっくりと堪能することができた。
中でも、三年経った今でも特に印象に残っているのが、この上の写真のお部屋、”ダイニングルーム@南禅寺”と勝手に呼んでいるが、和と洋と背景のお庭がマッチして、本当に美しい、心安らぐ空間である。テーブルと椅子だから、ここでコーヒーとケーキ、いや、やはり、お抹茶と和菓子をいただけたら最高である。もちろん、このお部屋、観光客は廊下から眺められるだけなので、お抹茶は、本坊の”滝の間”で清涼の滝を眺めながらいただくことになる(下写真)。
南禅寺に限らず、京都の寺院の多くは、お寺の建物、欄間や襖絵などのアート、お庭、磨きこまれた床や柱、その一つ一つに対する手入れと配置、部分と全てが一つの芸術作品を形作っているようである。京都の美は世界の人々の心を惹きつけずにはおかないのである。