アメリカのほほん手帖

アメリカ東海岸在住16年、暮らしの諸々について綴ります

日本からアメリカへ海を渡った桜の木

日本を代表する花といえばやはり桜であろう。今頃は満開の桜の花の下でお花見を楽しんでいる人も多いのではないだろうか。

 実は私が住むここアメリカのノースキャロライナ州でも丁度この時期(通常3月下旬がピーク)、桜の花が満開となり、美しいピンクの花が目を楽しませてくれるのである。下の写真は、ご近所さんの庭で咲く大きな桜の木である。桜の木の下でお弁当を広げる日本風お花見は残念ながら、アメリカではないのだが、それでも散歩の道すがら、或いは運転中に目にする、淡いピンク色が連なる景色は、本当に美しい。春が届けてくれる贈り物である。 

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 体に良いとされているキノアという雑穀について最近調べていた時に、たまたま下記の記事を見つけた。そこに桜の木を日本からアメリカに輸入することに貢献した、植物学者のデイビッド・フェアチャイルド(David Fairchild)について書かれていて、ブックマークを付けておいた。 

www.npr.or

フェアチャイルドは、まず手始めに日本から輸入した桜の木をメリーランド州にある自分の土地に植えたが、それを目にした地元の人達が桜の花の美しさに魅了されるのを目の当たりにし、ワシントン・モニュメントの近くのタイダル・ベイスン(ポトマック川に隣接する入江)沿いに桜の木を植樹する計画を実現することに貢献したそうである。この記事にある当時の日本で撮られた古い写真は、貴重且つ当時の様子が伝わってきて面白い。

そして、そのフェアチャイルドの土地に、1906年に最初に植えられた125本の桜の木の内、1本はまだ健在のようである:  https://www.fona.org/fairchildcherry/

また、フェアチャイルドと共に、DCのタイダル・ベイスン沿いの桜の植樹に貢献した、二人の米国人女性、エライザ・シドモアとヘレン・タフトについては、こちらの記事が美しい写真と共に詳しく紹介している:

natgeo.nikkeibp.co.jp

フェアチャイルドと二人の女性、アメリカでの桜の木の普及のきっかけとなった彼ら三人のお陰で、私も毎年この時期になると、美しい桜の花を楽しむことができるのである。