アメリカのほほん手帖

アメリカ東海岸在住16年、暮らしの諸々について綴ります

ジョシュア・ベル:”ヴァイオリンの詩人”と呼ばれる人

ジョシュア・ベル(Joshua Bell)という名前は数年前にラジオを聴いていて初めて耳にした。その時は、現代のベスト・ヴァイオリニストの一人として名前が紹介されていて、余り気に留めることもなく、そのまま何となく彼の名前だけが、私の記憶の片隅にしまわれた。

去年の11月、別件で YOU TUBEを見ていて、たまたまジョシュア・ベルの演奏が目に留まった。その映像の中で繰り広げられる彼の演奏は流石素晴らしい。すぐに興味を持ち、ネットで彼についていろいろ調べてみたところ、2018年の3月に、私が住むノースキャロライナ州の大学にあるコンサートホールで彼の出演するコンサートが開催されるそうである。平日の火曜日で、場所は私の住む街からは片道2時間半ほど。息子の学校はあるし、私も仕事を休む必要があるが、まあ何とかなるさと、家族3人分のチケットの購入ボタンを押した。

そして、先週の火曜日、息子の学校が二時半に終わるのを待って、コンサート会場へ駆けつけた。約1,400人程入るホールはほぼ満席。今回は、ベルがDirectorを務めるAcademy of St Martin in the Fieldsという室内管弦楽団を率いてのコンサートである。

www.carolinaperformingarts.org

 演目は、下記の通り:

  • MENDELSSOHN: Overture to A Midsummer Night’s Dream
  • MOZART: Violin Concerto No. 4 in D Major, K. 218
                     Joshua Bell, violin
  • BEETHOVEN: Symphony No. 6 in F Major, Op. 68, “Pastorale”
ベルが演奏に使用したヴァイオリンは、the 1713 Huberman Stradivarius、弓は、late 18th century French bow by François Tourteとある。
 
"Poet of the Violin"という形容詞で呼ばれることもある、ジョシュア・ベル。身体全体を使ってダイナミックかつ繊細な音を奏でる彼の演奏は、本当に詩的といっても良いのであろう。まさにヴァイオリンを演奏する為に生まれてきたような人のようである。

Joshua Bell - Wikipedia

ジョシュア・ベル - Wikipedia

Wikipediaによると、ベルが4歳の時に9段ある洋服ダンスの持ち手部分に輪ゴムを伸ばしてかけ、母親がピアノで弾いた曲をまねて弾こうとしたらしく、それを見た両親が、ヴァイオリンのレッスンを受けさせるようにし、彼の才能は花開いていったようだ。只、ヴァイオリンの才能は早くから見受けられたけれども、彼の両親は、彼ができるだけ普通の子供としての生活を送れるように配慮し、ヴァイオリン漬けの生活ではなく、もちろん一流の指導者の下でヴァイオリンのレッスンもこなす一方、ビデオゲームやテニス、ボーリングなども普通にこなす子供として成長していったそうだ。12歳の時までには、彼自身もヴァイオリンを弾くことに真剣となり、14歳でソリストとして、Philadelphia Orchestraと共演、17歳の時にはカーネギーホールでのデビューを飾っている。

音楽での才能を開花させ、しかし、バランス感覚を失うことなく、成長し続けるアーティスト。活躍の場は、ヴァイオリニストや室内管弦楽団のDirectorとしてだけにとどまらず、若い演奏家の支援、音楽教育、様々なチャリティー事業支援にも広がっているそうだ。

ジョシュア・ベルという偉大なる音楽家の創り出す世界を実際にこの目と耳で体験し、至福の時間を過ごすことができたことに感謝である(^^♪