アメリカのほほん手帖

アメリカ東海岸在住16年、暮らしの諸々について綴ります

破壊と再生:ONE WORLD TRADE CENTER

2001年9月11日に起こったNYのワールド・トレーダーセンターへのテロ攻撃。その時は日本に住んでいたが、TVに映し出される映像は本当に衝撃であった。同じ年の6月までNYに住んでいて、特に最後の数か月は週に3日Greenwich Villageにある職場でのインターンシップへ通い、その道すがら、WTCが視界に入ったりしていたので、数か月前まで目にしていたその建物が破壊されてしまったという事実は、実に衝撃であった。当たり前に存在していたものが、破壊され、存在しなくなってしまうことがあるという事実。しかも、多くの方々の命までもが失われてしまうことがあるという事実。そして、それは、世界の様々な災害や戦争の現場で起こってきたことであり、例えば、シリア等、現在も起こり続けている場所もある。

2010年の11月に地元NC州にある某会社に勤めることになったが、NY本社でトレーニングを受ける必要があり、約4か月にわたり合計9回NYへ通った。たまたま会社の指定ホテルがグランドゼロの隣に位置していて、滞在中のホテルの部屋の向きによっては、新たにグランドゼロで建築が進むビルの様子が部屋から見えて、その過程を間近に目にすることになった。その頃は、最寄り地下鉄駅もクローズされた状態で、まだ瓦礫も残っていた。しかし、寒い冬から春へのその4か月の間にかなりの工程が進んでいくのを見ては、”頑張れ!”と心の中で声援を送っていた。

Wikipediaによると、新しい”One World Trade Center"の建築は、2006年4月に始まり、2014年の11月にビルがオープンしたそうである。また、展望台がオープンしたのは、2015年の5月とある。尖塔までのビルの高さは1776フィート(541m)で、米国の独立宣言書に署名がなされた1776年にちなんでいるそうである。

家族旅行で2015年の6月にNYを訪れ、そのオープンしたばかりの”One World Observatory"へ登ってきた(下記写真もその時撮影)。102階まで高速エレベーターで47秒で辿り着くのだが、その間にビデオイメージで、現在のNYがある場所の古代の風景から始まり、NYの変遷の様子が映し出され、最後はガラス張りのエレベーターから現在のマンハッタンの様子が眺められるようになっている。

oneworldobservatory.com

 

破壊と再生。自然災害や人災で街が破壊されることが世界では繰り返されてきたし、今後もまた、起こるのであろう。しかし、その破壊された場所を再生させることもまた、人類には可能なのである。グランドゼロで実現した再生の過程を少しだけではあるが、目撃することができて、人間のたくましさというものを改めて実感した次第である。 

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(The Memorial Pools)